設計者
東京キリストの教会の教会建物を設計したのは、建築家の槇文彦氏です。
槇文彦
1928年9月6日生まれ東京都出身。
モダニズム建築や、メタリック作品で有名な日本の建築家。
1993年には、建築家にとって最も名誉ある賞「プリツカー賞」を受賞。
また、2011年にはAIAゴールドメダルも受賞しています。
<主な受賞歴>
日本建築学会賞
プリツカー賞
UIAゴールドメダル
村野藤吾賞
高松宮殿下記念世界文化賞
日本建築学会賞大賞
槇文彦氏の建築作品
東京キリストの教会
1995年 東京都(渋谷区)
建物の上部には象徴的なスカイラインを生み出す礼拝堂を配置し、1階は日常的なスペースとなっています。
大きな障子を思い起こさせるガラスのダブルスキンは空間を暖かく静かな光で満たし、礼拝堂の空間を静謐で瞑想的な聖域へと変化させています。
1997年にはBCS賞を受賞しました。
ユダヤ コミュニティーセンター
2009年 東京都(渋谷区)
日本におけるユダヤ教のコミュニティセンターの「日本ユダヤ教団」。この建設計画は2006年に匿名の寄付から始まりました。
高さ制限がある中で、天井高を可能な限り高く取るために多目的室を北側に、シナゴーグを南側にずらして配置し、その間に吹抜け空間をもった光あふれるエントランスロビーを配置するという工夫が施されています。
風の丘葬斎場
1997年 大分県(中津市)
静寂古墳と墓地が一体となり、静かに迎える「風の丘葬斎場」まるで、公園の中にある彫刻を思わせるようなたたずまいです。
斎場部分から火葬部分、そして待合部分への空間は、適度な間隔を保ちながら緩やかに連結。次の行為へと移動する空間を大切に考えられた造りになっています。
外観には、三つの棟。棟には、一棟一棟異なる幾何学図像を与え、煉瓦やコールテン鋼・コンクリートと異なる材料を使用して造られています。希望の家 名取市文化会館多目的ホール
2012年 宮城県(名取市)
2011年3月。未曽有の大地震によって甚大な被害を受けた名取市に、ドイツのラインハルト・アンド・ソンヤ・エルンスト財団から、寄付された「希望の家」
被災された方々にとって互いに交流できる『安らぎの場』となり、復興の一助となるようなコミュニティー施設が2012年に誕生しました。
名取市文化会館の南の庭に建てられる木造平屋。この「希望の家」には子供からお年寄りまで年齢を問わず自由に利用し楽しむことができるような、多目的室・相談室・遊戯室・和室などが設けられています。
多くの方から親しまれる「希望の家」が、復興のシンボルとなる様に多くの方から期待が寄せられています。
福島県男女共生センター
2000年 福島県(二本松市)
福島県・二本松市の旧市街。霧と城が対峙した丘の急斜面に『男女共生センター』は建っています。
土に埋められたレンガの気層部を新たな地盤に建築。南側は…庭と一体型になったスペース。上部は…羽板を組んだルーバーで覆い、上部を浮かせた仕上がりになっています。
また、立体的なパブリックスペースを芯とした内部空間には、
研修・集会・交流・展示・情報・宿泊など多様な機能が展開されています。
富山市民プラザ
1989年 富山県(富山市)
中心地区活性化の起爆剤として、モールと同時に整備された『富山市民プラザ』市民の日常的な文化や芸術、学習活動を支援する多様なスペースが連続。
アトリウム・アートギャラリー、音楽ホール・演劇スタジオ、市民学習センター・外国語専門学校、レストラン・喫茶・ショップ…。互いに関連し運用する事で相乗効果が生まれ、小規模ではありながらも高性能な施設となっています。
東京体育館
1990年 東京都(渋谷区)
明治神宮外苑の一端を占める都市公園内に建てられた東京体育館。街区としての周縁性を考慮しつつ、変化に富んだ建築形態を並置。
メインアリーナ・サブアリーナ・屋内プールの棟は、大空間の象徴性を保ち続けながらもヒューマンな外観が表現されています。
これらの形は特異な記号が集まり積み重なって一つの集合体を形成されており、視点移動による形の重なり合いにより、思いがけないシルエットが発見する事が出来ます。
藤沢市秋葉台文化体育館
1984 神奈川県( 藤沢市)
微妙な角度で向き合うメインアリーナ棟とサブアリーナ棟。その両棟を繋ぐのはエントランスホール。
このアリーナを包みこむ曲面対になった二つの屋根は、互いに示し合わせながら見る角度によって様々なシルエットを展開。
屋根に使用されているステンレスは光の陰影に敏感に反応する為、時に鋭く・時には穏やかな表情を見せてくれます。特に薄暮に近づく頃には、空と接するエッジが美しく背景に溶け込みます。
ノバルティス スクエア3
2009年 スイス バーゼル
バーゼル市にあるノバルティス・キャンパスで多数進行されている計画のひとつとして建設された中層オフィス。ノバルティスの掲げる「マルチスペースコンセプト」を発展。オフィスは開放的で可変性に富んだ環境造りが目指されています。
敷地は矩形の平面。コアな2層の空間やテラスを平面形の両端に点対照に配置。その2部屋を繋ぐ傾斜した天井からは、対角方向にのびる流動的な空間が演出されています。公園とのつながりを意識したエントランス階は、石材にチークウッドストーンを採用。天井はメープルのスラット天井を採用する事で、温かみのある空間に。
ファサードには、高い透明性と十分な断熱性能を兼ね備えた、
ユニットカーテンウォールシステムを採用。4層のガラスからなる透明部は、電動ロールスクリーンによる調光が可能。透明、半透明、不透明の3つのゾーンには、セラミック印刷やアルミパネルを使用。建物の柔らかな優しい印象が生み出されています。
国立国語研究所
2004年 東京都 立川市
国の研究教育施設群が配置される街区―。その中央に位置する国立国語研究所。緩衝領域である敷地周縁部の雑木・樹林は、
街区の落ち着いた環境を生み出しています。
研究所前の庭は各施設を結びつけると同時に、街区全体に開放されており、共用広場としても利用。研究部門、管理部門と図書室・講堂の共用部門は、中庭を囲むようにして配置された、一体感のある領域。
外装はLow-eガラス・セラミックプリントガラスを合わせ、モジュールによるシステム化をそのまま表現。ペアガラスを使用したカーテンウォールで覆われています。
その形状・大きさ・ピッチは、アルミ換気パネルとセラミックプリントによる外壁負荷が一般的な連窓型の中層建築物と同等となるよう、セラミックプリントの割合を算出し、視覚的な透明性検討した上で決定されています。
ベイルート・ブロック 20-02
2017年 レバノン ベイルート
伝統的な街並みを受け継ぐベイルート。目指すは、21世紀に相応しいオフィスタワー。建物内を垂直方向に展開した、共用空間のネットワークを提案。
商業施設が配された基壇部は、中東特有の市場形式”souk”から着想を得た。また、基壇部の上の水盤レベルはオフィスの共用ロビーとなっている。この水盤があることにより、上のオフィス部分と下の商業部分が区分されています。
ダブルスキンのファサードが通風と自然光のコントロール。
ベイルートの穏やかな冬と暑い夏の気候にも対して、快適なオフィス環境をつくり出しています。
基壇部の白い花崗岩とオフィス部の白いガラスのファサードは、爽やかでモダンな表情を演出。周囲のライムストーンで仕上げられた街並みの中でも際立つことが期待されています。
4 ワールド・トレード・センター
2013年 アメリカ ニューヨーク
スタジオ・ダニエル・リベスキンドの“メモリー・ファウンデーションズ”というマスタープランに基づいて建てられた超高層ビルの一つ。
元々は16エーカーあった世界貿易センタービル跡地。ナショナル9.11メモリアル・パークを取り巻くように立ち並ぶ5棟の高層ビル。その中で4番目の建物として、最初に完成したのが4 ワールド・トレード・センター。
グリニッチ、チャーチ、コートランド、リバティ…4つの通りが交わる都会の敷地。ここはウォール街とロウアー・マンハッタンへの玄関口ともいえます。
高さ977フィート(298m)の72階建て。オフィス・商業スペースの広さは213,700平方メートル。
タワーは、静かな佇まいの中にも力強い彫刻的表現を創り出されたデザイン。角ばった輪郭は、離れた場所からみても際立つ存在感を演出。反射率の高い特殊Low-eコートを施したシルバーのガラスは、天気・陽光によって外観を劇的に変えていきます。
51アスタープレイス
2013年 アメリカ ニューヨーク
三番街と四番街のふたつの大通りの重要な交差点に位置する51アスタープレイス。ここは近隣の特徴に応じて、予め建物の容積が階段状に規定された特権的な敷地。
グリニッジビレッジ近隣の目印として象徴的で永続的なデザインの建物にする為、さらに強調する2つの異なった外装を展開―。
四番街沿いの大きく統制された建物がある面には、既存の街景にかなうような色合いの濃い滑らかなガラスカーテンウォールを採用。
一方四番街と対照をみせる三番街のファサード。正面には銀色の縦ルーバーをカーテンウォールとして採用。見る角度により様々な外観が現れます。
ロレックス中津ビル
2009年 大阪府 大阪市
東京に設計したロレックス東陽町ビルと同じテクニカルセンター。大阪北部を貫く幹線道路沿いに立地。
空間のアクセントには、東陽町と同じレッドトラバーチンを採用。エントランスを構成して当該ビルとの共通性を表現。
白いセラミックを施したガラスカーテンウォールで覆われているのは基準階の作業空間。丸と帯状の透明部分を不規則に設けることで、周辺市街地に応じた視線の制御を試みている。
上層にあるのは天井の高いカフェテリア。まるで基準階から浮遊しているかのような配置は、解放感と眺望が得られる休息空間をつくりだしています。
ロレックス東陽町ビル
2002年 東京都 江東区
東陽公園に面した永代通り沿いに立地する、世界的時計メーカーのロレックス社のテクニカルサービスセンター。
エアーフローウインド機能を備えたダブルスキンカーテンウォールで構成されたファサードは、透明感のある重層した外皮を創り出す。また、時計修理に適した室内環境が確保されています。
透明性と水平性をテーマとしたパタンブラストガラスは、周囲の緑を緩やかに取り込むデザイン。この界隈に新しい変化をもたらしつつあります。
イザール・ビューロ・パーク
1995年 ドイツ ミュンヘン
ミュンヘン郊外のハイテクオフィスパークに建設された、イザール・ビューロ・パーク。敷地周辺に広がるのは、緑豊かなイザール川沿いの典型的な西ドイツの田園風景。
フレキシブルなプログラム規模に対応した空間と形態のバリエーションの集合によって変化に富んだ外部空間を生み出すオフィス群。イザール・ビューロ・パークは、田園と共存する新しい風景を構築しています。
新国連ビル拡張計画
2017年 アメリカ ニューヨーク
2003年初め。国際連合開発協会は、国際連合とニュートーク市との協議のもと、プリツカー賞受賞者を対象に、新国連ビルの設計者を選定する招待コンペを開催。
このプロジェクトの目的は、現在ニューヨーク市内に分散している国連の関連機関の統合。1番街と41から42丁目の間の敷地に計画されています。
1945年設立当初。総会場・事務局・会議棟・図書館棟が、ウォレス・ハリソン、ル・コルビュジェ、オスカー・ニーマイヤー等が率いる建築国際委員会によって建設。この新館はそれらに次ぐ5番目の建物となっています。
新館は、向かいに建つ事務所との調和を考慮して高さが設計された36階建て。オフィスや会議施設、食堂などの他、低層部には敷地面積を最大現に利用して様々な関連施設が設けられています。
高層部は、事務局の細長い形態を受け継ぎU字型に変形させた独特な平面形。また、低層部と高層部を繋ぐ階には、カフェテリアやダイニングが配置されており、公園のような空間が演出されています。
町田市新庁舎
2012年 東京都 町田市
雑木や木漏れ日広場に囲まれた、町田市新校舎。屋上庭園からなるランドスケープに包まれ、市民ワークショップにおいて提案されたテーマ「公園庁舎」にふさわしい佇まい。
雑木や照葉樹による樹林帯は、周辺との暖衛領域としても位置付けられてる。街路に低層部が面する構成により、高さを抑えた親しみやすい街並みを形成。庁舎高層部と議場との対比が遠景に映えます。
低層部には、ワンストップロビーの吹抜空間を中心に、市民の利用頻度の高い窓口やカフェ、レストランを配置。
また、高層部にある共有空間のアトリウムは、熱環境的な暖衛領域としても機能。執務空間より遠く丹沢山系を望むことが可能となっています。
福井県立図書館・福井県文書館
2003年 福井県 福井市
福井市郊外の田園風景の中にある福井県立図書館・福井県文書館。周辺は、足羽川が流れるような自然に恵まれた環境。このような敷地環境を生かし、緑に包まれた庭園図書館が目指されています。ガラスカーテンウォールで覆われたワンフロアーの開架閲覧。空間は、内部と庭園との連続性が重視しされています。また、閲覧席の大部分は外周に配置。来場者は庭園・窓越しから見える庭・遠くの山との対話も楽しむ事が可能となっているのです。
慶應義塾大学図書館・新館
1981年 東京都 港区
学生たちが賑わう三田の丘上でアクティビティの高い広場に面している、慶應義塾大学図書館・新館。全体のヴォリュームの半分近くを占める書庫は地下に収納。圧迫感を和らげるために常上層でバックした形態になっています。
外観構成の基本単位は2層マイの8㎝核の正方形。中間にはT字型に設けた染と小柱をマイナーな表現として、大オーダーに似たスケール感。
広場に対する配慮から、全体ヴォリュームの半分近くを占める書庫を地下に収容し、また圧迫感を和らげるために上層でセットバックした形態になっています。外観構成は2層毎の8m角の正方形が基本単位であり、その中間にT字型に設けた梁と小柱をマイナーな表現として、大オーダーにも似たスケール感を与えます。
東京電機大学 東京千住キャンパス
2012年 東京都足立区
東京電機大学、創立100周年記念。平成24年4月。中核工事として開設した東京千住キャンパス計画。技術革新を見据えた次世代型のキャンパスとなり、北千住英東口地区の将来の街づくりの核になると期待されています。キャンパス全体は、緑豊かなランドケープとして開放感溢れるように計画。地域交流連帯施設及び・パブリックスペースは、キャンパスプラザを囲むように低層部に『アゴラ』として展開され、大学と街のコミュニケーションを担っているのです。
キャンパスは、南イタリアの中世都市広場に見られる公共空間を連想。駅前広場に面する『ロッジア』等による「ひとり」であることの楽しさを体験し得る場も計画されています。外観は、大学の様々な用途構成を感じさせる多彩な都市的表情を見せます。基調となるのは、中層部のセラミック印刷されたガラスと普通ガラス。さらに、低層部の木・金属板・コンクリートの構成でヒューマンスケールな近景の創出を目指し親しみを感じさせてくれます。
一方、中高層部の東西面のガラスカーテンウォールの外皮負荷軽減を実現する大学建設初の高効率エアフローウィンドなど、先進的な技術にも意欲的に取り組まれているのです。
国際仏教学大学院大学
2010年 東京都文京区
国際仏教大学院は、学校名の通り仏教学の研究者を志す学生を対象にした、大学院のみの大学。博士課程は5学年。総学生数20名。大学でありながら研究所のような構成となっています。新キャンパスの敷地は15第将軍徳川慶喜の終焉の地。屋敷ゆかりの大銀杏をはじめ様々な木々が生い茂り、緑豊かな環境となっています。
建物は、既存の緑と起状に富んだ地形を生かしつつ、高さを低層に抑えた小規模な6つの塔で計画。分棟状の配置にすることにより建築の周りに庭や外部空間が生まれ、室内からも木立の中にいるような風景を望むことが出来ます。庭の緑・外部の林により、静かで落ち着きのある研究・教育の場が創出されているのです。
マサチューセッツ工科大学 新メディア研究所
2009年 アメリカ マサチューセッツ
マサチューセッツ工科大学における技術開発、デザイン・芸術活動の為、機能的・建築的にも卓越した拠点を提供する新メディア研究所。センター・フォー・ビッツ・アンド・アトムズ、メディア・アート・化学に関する大学のプログラムなど、学会や分野に縛られないユニークな組織が収容されており、量子コンピュータからオペラに至るまで幅広い範囲での活動が行われています。
施設は、中央の立体的に展開するアトリウムを囲むよう配された7つの研究室群、イベントスペース、講義室、会議室、カフェなどから構成。最上階にあるイベントスペースからは、チャールズ川やボストンの街を望むことも出来るようになっています。
ペンシルバニア大学 アネンバーグ パブリック ポリシー センター
2009年 アメリカ ペンシルバニア
ペンシルバニア大学キャンパスの中央に建つ、アネンバーグ・パブリック・ポリシー・センター。これまで様々な情報や報道、公共政策に関する研究が行われ、関連する講演会や学術会議が開催されています。
研究所には、会議室を中心にアゴラと呼ばれる多目的ホールやスタジオが収容されており、活動を支えているだけではなく、大学行事の開催場所としても活用されています。
古い煉瓦造の建物やライムストンで仕上げられた建物に囲まれた施設は、ガラスカーテンウォールの外装の内側に、木製の窓をつけたダブルスキン構造。周囲と調和しながらも現代的で透明感をもった外観をしています。
リパブリック ポリテクニック
2007年 シンガポール ウッドランド
シンガポールの既存の緑と地形を生かしたリパブリック ポリテクニック。新たに創り出されたランドケープは、緑を残しながらも、周囲の自然に対して際立った場所性を獲得。多様な施設群からなるキャンパスに一体感を与えます。
キャンパス計画の中心となるのは、共有スペースLawnとAgoraです。これらの共有スペースは、教室棟と建築群を包絡する中間領域として提案され、空間的な閾の役割を担うと共に、生徒と先生が集う交流の場としても提供されています。
サポート施設である事務棟や文化施設・立体駐車場や体育館は、キャンパスの外周部に分散。その為、共有スペースとはブリッジによって接続された構造となっています。
名古屋大学 豊田講堂 改修
2007年 愛知県名古屋市
名古屋大学の豊田講堂は、大学のシンボルであるとともに、槇文彦が手掛けた日本で最初の作品として47年前に建築されました。
DOCOMOMO100選にも選定されている既存部分は、保全改修を基本としています。また、学会や音楽会にも対応できるホールの音響性能と施設機能の向上を図るとともに、ホワイエの拡張と隣接する建物との一体化することで、多目的利用を可能としています。
ワシントン大学 イン セイントルイス・サム フォックス 視覚芸術学部
2006年 アメリカ ミズーリ
新たな増築によりサム・フォックス・スクール・オブ・デザインという一つのコンセプトとして、様々な学科を双方的に連携させた新たなプロジェクト。このプログラムは、建築や視覚芸術に関わる施設やプログラムの充実を図る目的で立ち上げられました。新たに建築された美術館とウォーカーホールと既存の建物との間には、連続するオープンスペースを設けることで、ミニキャンパスが創り出されています。
セントルイス地域における文化施設の拠点の一つとして計画された、ケイパー美術館はアカデミックなシンボルです。この建物は2層のヴォールト天井を持つアトリウムを中心に、3つの展示空間と図書館がホールに対して開かれた構造となっています。また、特殊な施設を必要とする美術学科の入ったウォーカ・ホールはオープンスタジオとして計画された為、用途・機能・間取りなどの様々な変化に対応可能な性質を確保出来るよう、コア構造となっています。
これら建物の外壁には堆積岩などの様々なカラスのエレメントを採用。伝統的な素材と新しい素材で構成することにより、既存の建物との調和と、新鮮な印象を同時に創り出すことが出来ているのです。
慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)
1992年 神奈川県藤沢市
既存の緑と自然地形の起伏を活かし全体計画を行うことで、ランドスケープと一体のキャンパス風景を形成しているSFC。情報センターを中心に中央部の丘に集約して配置された研究施設群。そして、情報ネットワークと同様にパブリックアクセスで繋げられた、ループ道路内の核施設。分棟形式の建築群は、建物の機能や空間の特性に応じてそれぞれ固有の表情を与えながらも、全体的に一つの都市のような統一感が創り出されています。
シンガポール・メディアコープ
2015年 シンガポール ブオナヴィスタ・ワンノース
放送センターとしての新しい考え方に基づいてデザインされた、新メディアコンプレックス。ここは世界からの訪問約に開かれたパブリック性を重視した施設となっています。
ツアールートには、訪問者を楽しませる計画として、他では目にすることの出来ない放送局ならではのオペレーションが展開されております。
1600席の劇場・放送センター・メディアコープの三つの本社機能。そして、本社機能に対応するユニークなフォルム全体が、
「ビュー・コンドー」と呼ばれるゲートを形づくっています。
この「ビュー・コンドー」は地域の主要な歩行者同線でもあると共に、シンガポール建国50周年を記念する50段の大階段を持つ公共の広場ともなっているようです。
50段の階段を上るとあらわれる美しい高原は公園へと連続し、
カフェ・レストラン・ショップなどの施設と繋がっていきます。また、高原からは公園越しに広がるメディアポリスの景観を楽しむことが出来るようです。
テレビ朝日
2003年 東京都港区
六本木ヒルズの一角に位置している、テレビ朝日新社屋。新社屋の北側、旧毛利邸の庭園があった場所には新しい日本庭園がしつらえられています。
また、庭園に向かって高さ30メートル、長さ120メートルの薄い三日月の形をしたパブリック・スペースが設けられています。
局の関係者・訪問者・一般の方も、エントランスから初めに入ってくるのが『パブリックスペース』のようです。
ゆったりとコーヒーを飲んだり、新しい東京の風景を眺めたり…それぞれが自由にくつろぐことの出来る空間となっているようです。
幕張メッセ ペデストリアンブリッジ
2009年 千葉県千葉市
幕張メッセは、幹線道路によってⅠ期とⅡ期が隔てられています。Ⅱ期の完成後に出た、両施設間の移動に『雨に濡れない連絡通路が欲しい』との要望を受け、ペデストリアンブリッジは完成しました。スムースな観客同線の確保・両施一体の展示スペースの総面積は72,000ml。大規模イベントなど多様な運営への対応がより一層強化されています。Ⅰ期の「山並み」、Ⅱ期の「波」に対し、アイデンティティのある第三のイメージを加える事が意図され、シャープなイメージ。メタル系の素材が支配的な周囲の景観の中で、色彩・素材感・形態が周囲と明快なコントラストを持つ様に、白いテフロント膜による、全長98mの長いボートを伏せた様な軽やかに浮かぶイメージへと仕上げられています。
架構は、橋桁と、その上の屋根から構成。橋桁はPC板による道路上で橋桁下に必要な高さを確保する為の滑らかな太鼓橋状の形状を、最大39mのスパンを含む4本のV字型RC柱が支持しています。テント屋根の架構は、中での空間体験を重視。風の捩れに抵抗するブレースをトラス面内に入れず、フレームの中にスリムな丸鋼材により立体的に構成した鉄骨フィーレンディールトラスに仕上げられています。光溢れる船底天井の空間に包まれたブリッジは、対岸のハレの場への期待感と高揚感をかきたてられます。また、ブリッジの下を通るドライバーを、新都市を迎え入れるゲートともなっているようです。
イズマイリ・イママット記念館
2008年 カナダ オンタリオ オタワ
イズマイリ・イママット記念館は、アガ・カーンとカナダにおける彼の組織を象徴する非宗教的な施設。(首都オタワ市に建設されている)
この建物は、ガラスに覆われたアトリウムと中庭という二つの象徴的な空間を、機能が細長いリングのように四角く取り囲まれた構成になっています。
水晶の自然な美しさが人の眼を惹き付けるように、様々な透明度を重ねながら透明性と不透明性が建物全体を相互に作用することで、建物が希望や喜び、魅力の源になることが期待されているようです。
朱鷺メッセ / 新潟コンベンションセンター
2003年 新潟県 新潟市
信濃川河口の万代島に位置するコンベンションコンプレックス、朱鷺メッセ。建物は、展示場・会議場がアトリウムを介してタワーと一体的な構成となっています。全長350mのエスプラナードは各施設を連繋。また、信濃川に開かれた都市回廊として、ウォーターフロントの散策や寛ぎの場にもなっています。
水平線と垂直性が対比されるシルエットは、ガラスと金属の透明感と軽やかさを兼ね備えた、島全体の新しいランドケープの核となっています。
富山国際会議場
1999年 富山県富山市
環日本海交流時代に向けた中核都市・富山の国際的な情報交流の拠点施設、富山国際交流場。外観のカーテンウォールには、ガラスと木製格子スクリーンを採用した二重レイヤーで表現。都市景観に木の持つ柔らかさと暖かい表情を加えます。メインホールとなるのは、全825席の集会系ホール。正方形を45度に使った座席位置は、ステージを囲み一体感を生み出します。
幕張メッセ 新展示場・北ホール
1997年 千葉県千葉市
国際性・集客性・情報発信性のある様々なイベントが開催されてきた幕張メッセI期。日々多様化する需要に対し新たに増築されることとなったのが、II期の北ホールです。I期は山並みがイメージされた山のシルエットなのに対して、新たに増築される北ホールは凹凸により立体的な波がイメージされた変形型の屋根形態となっています。I期とII期、この二つの大屋根がつくりあげるダイナミックなスカイラインによって、新たな都市景観が構築されています。
幕張メッセ I
1989年 千葉県千葉市
幕張新都心のシンボルとして建設された幕張メッセIは、展示場・会議場・イベントホールが一体的に計画されたコンベンションセンターです。それぞれが特徴的な表情を持つ空間には、様々なイベントに対応出来るような機能と性能が確保されています。密度の高い大空間は、現代技術によるダイナミックなスケールと、ヒューマンスケールの細やかなディテールの絶妙なバランスによりつくり出されています。
テピア
1989年 東京都港区
神宮外苑の風致地区内の公園施設としてオープンスペースが確保されている展示館テピア。展示館では、機械情報関連における先端技術について学ぶことが出来るようになっているようです。
建物の外観には、アルミとガラスを採用し徹底した平面と直線をベースとした、現代技術を象徴するパビリオンに相応しい構成となっています。
静岡市 清水文化会館
2012年 静岡県静岡市
清水駅東地区の街づくりの核であり新しいランドマークとなる清水文化会館。文化会館には大小2つのホールがあり、本格的な機能と性能を兼ね備えた多目的ホールとなっています。
客席数約1500席の大ホールでは演劇やオペラ、小ホールでは音楽や演劇など、市民の文化活動からプロ公演まで幅広く利用されています。
三原市芸術文化センター
2007年 広島県 三原市
広島から東に70キロ離れたところに位置する三重市。その中心部の宮浦公園内にある既存の文化会館が建て替えられることになりました。
新たに建てられる文化施設には、低層のホワイエと小さなカフェが併設されています。大ホールは1200席もある多目的ホールとなっており、ライタワーとオーケストラピットも完備されています。また、市民向けのリハーサル室や練習室も付随されているようです。
名取市文化会館
1997年 宮城県名取市
ランドケープと一体になった森の中のパビリオン的存在、名取文化会館。この大ホールは反射板や舞台機構が完備された、音楽・演劇を中心に利用することが出来る多目的ホールとなっています。
中ホールは450席のシュールボックス型の音楽専用ホール、小ホールは多様的に利用することが出来るよう平戸間形式となっています。
これらのホワイエは、中庭を取り囲む回回避性のあパブリックスペースにより、異なるそうです。
浮かぶ劇場
1996年 オランダ フローニンゲン
様々な実験的創作活動に用いられる多目的な構造体の浮かぶ劇場。タグボートに曳航され都市から郊外へと移動するパビリオンの上では、ミュージカルから詩の朗読まで幅広い活動に利用されているようです。浮かぶステージは移動するにしたがって様々な印象を与えてくれます。
霧島国際音楽ホール
1994年 鹿児島県姶良郡
霧島連峰の雄大な絶景が眺められるのは、山あいの木立の中に建つ室内主体の霧島国際音楽ホール。ホワイエから覗けば、遠くの景色まで見渡すことが出来ます。ホールの座席は800席。シューボックスをベースとした木の葉型の平面と断面を船底型にしたことにより、舞台から届く音がうまく拡散される構造となっているようです。立体感のある音が客席に響き渡ります。
東京キリストの教会 教会建物の見学について
東京キリストの教会では、教会建物を見学させてくれます。
かく言う私も何度もお世話になりました(^^)
見学可能な曜日・時間は火曜日~金曜日の10時から16時。見学希望の日時を事務局に問い合わせると確実です!
TEL 03-3460-4414※見学される方は、くれぐれも東京キリストの教会の皆さまにご迷惑を掛けないように、マナーを守ってくださいね!